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"5月の雪" スイスのナルシスの群生

nar_logo.jpg(806 byte)  ナルシスとは?

ナルシスとベンチ
ナルシスは、日本の水仙に似た可憐な野の花。毎年4月末から6月にかけて、 スイス西部のレマン湖地方、モントルーやヴェヴェイの町の後方、標高1000-1500メートルの丘に群生します。 山の中腹一面が真っ白に見えるため、別名「5月の雪」とも呼ばれます。

花の大きさは水仙より大きく、直径7 - 8センチ、一本のまっすぐな茎の上に、 柔らかな花弁がゆらゆらと揺れる優雅な趣き。また強い芳香が辺り一面を包みます。

かつて、この地方の名産として、その季節には何トンも箱詰めされてヨーロッパ各地に送られていたナルシスですが、 乱獲や農地の改良のため、一時絶滅の危機にさらされました。牧草を刈るのが早過ぎたり、牛や人間が踏み荒らすと、 すぐに咲かなくなってしまうため、環境保護のバロメーターになるのです。

十年ほどまえから、地元の人々は、保護団体を作って、環境のバロメーターとしてナルシスを守ってきたおかげで、 いまでは毎年沢山の人がナルシスを求めて春のハイキングを楽しむようになりました。

nar_logo.jpg(806 byte)   ナルシスの4大群生地

ちょうど日本のゴールデンウィーク頃に満開になるナルシスは、日本のサクラのように、2週間くらいで、 次々に咲く場所を変えていきます。主要4カ所の群生地のうち、どこで満開かは、現地の観光局や、近くのホテルで確かめられます。 またこの期間には、モントルーの町や周辺の群生する村々では、様々な趣向の「ナルシス祭り」が開かれます。

ナルシスの群生 1.  レ・プレイヤード山頂(1360m)と一つ下のラリイ駅付近
2.  ゴールデンパス・パノラマ特急をレザヴァンで下車、ケーブルカーでソンルーへ登った周辺

3.  ロシェドネー行きの登山電車の途中駅、パコー駅からゆったり下るCrêt d'y Bau(クレディボー)あたりの牧草地
4.  モンペルランの頂上付近    
スイス略図

nar_logo.jpg(806 byte) 現地参加:ナルシス保存協会主催の「ナルシス・ハイキング」

ナルシスの群生
5月上旬から、ナルシスの開花にあわせるように、毎週末ナルシスハイキングが実施されています。
ナルシス保存協会 Association Narcisses RivieraのHP内には、 日時、集合場所、コース地図、グーグルアースなどが盛り込まれており、 臨場感に溢れています。またこのスケジュールを見ると、開花の順序などが推測できて便利です。

現地到着後のナルシスの開花状況確認には、
モントルー・ヴェヴェイ観光局  Montreux-Vevey Tourism
Tel: 0848-86 84 84
(日本からは、++41-848-86 84 84)
www.montreux-vevey.com上で、「narcisses」で検索して下さい。
ナルシスのイラスト
ナルシスとナルシシズム

ナルシスの名はギリシャ神話から生まれました。

自分の美しさに絶対の自信をもつ美少年ナルキッソスは、泉に映る自分の姿に恋するように運命づけられ、 水の中の捉えようのない偶像に焦がれて悶死します。そこでうぬぼれの代名詞に使われるようになりました。

ナルキッソスが死んだ場所からは、その名も同じナルシスの花が咲き出たと言われます。